同じ食事を食べるのが、最もシンプルで効果的なラポールを築く方法


Sponsored Link

少し心理学に詳しい人であればラポールという言葉を知っていますよね。ラポールとは「親密な関係」や「信頼関係」と訳されます。私たちは嫌いな人を除いて、すべての人に対してラポールを形成しています。家族や恋人、友人など親密度によってラポールの強さが異なります。

家族の場合には、生まれてからずっと生活しているので、意識してそれを築くというのはありませんが、新しい友人を作るという場面では誰しも無意識にやっていること。

例えば、大学1年生の時。周りはみんな知らない人達。誰か自分と気が合いそうな人がいたら、まずは話しかけることから始まり。仲良くなるにつれて個人的な話題を出してみたり、一緒に出かけたりしますよね。

好きな人と仲良くなる時も同じ。まずはお互いがどういう人間なのか認識して、だんだんと距離を縮めていく。

恋愛心理学の本では、ラポールを築くにはミラーリング、ペーシングなど相手の行動を真似することで相手に親近感を与える方法が書かれています。それにも一定の効果があることは確か。人は自分と似ている人を好む傾向がありますから、性格だけでなく、行動もその一つです。

最新の研究では、もっとシンプルかつ効果的な方法が発見されました。それは一緒のテーブルに座って、同じものを食べることです。

 

キャンディーでラポールが築ける

By: Nan Palmero

アメリカ、シカゴ大学の研究者らは2つの実験を行い、同じ食事をとることで親近感や信頼関係が生まれるのかを調べました。

最初の実験では、見ず知らずの二人にペアになってもらいゲームをさせます。ゲームの前には、食べるものが信頼関係の構築にどう影響するのかを調べるために、キャンディーを食べてもらいます。この時あるグループのペアには同じ種類のキャンディー、またあるグループには異なる種類のキャンディーを食べさせました。

ゲームは次のようなもの。片方の被験者にはお金が渡され、それをもう一人の被験者に渡してもらいます。渡される方の被験者はこのお金を投資する役割を担っていて、投資をすれば金額は2倍に増えることをペアの二人は認識しています。

つまり、例えば1万円が渡されたとたら、最初にお金を渡された被験者が相方を信頼して、全額を相手に渡す。それを自分のポケットマネーにすることなく全てを投資してくれれば、そのペアは2万円を手にすることができるということ。

逆にどちらかの被験者が裏切って懐に1万円をしまったなら、裏切られた方が受け取る金額はゼロになります。相手を信頼することができれば、お互いに信頼関係を崩さずお金を得ることができるWIN-WINのゲームです。

すると、同じ種類のキャンディーをゲーム前に食べたグループほど、赤の他人の相手にもかかわらず、渡す金額が高かったそうです。

By: iurikothe
By: iurikothe

「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますが、それは正しく、キャンディーですらその効果があるようです。大阪のおばちゃんは、アメちゃんを常に携帯し、それを配り歩くことで効率的にラポールを築いています。

よく女の子もバックの中に甘いものを携帯して、友達同士で交換しあったりしていますが、彼女らはそれがお互いの距離を縮めることを無意識的に知っているのかもしれません。

仲良くなりたい人、信頼関係を築きたい人が周りにいるのなら、お菓子を与えるのはかなり効果的でしょう。

Sponsored Link

 

ビジネスにも美味しい食事を

By: Didriks
By: Didriks

もちろんこれはビジネスの世界でも使えること。むしろ日常生活よりもビジネスの方が効果がありそうです。というのも普段の生活では、信頼関係を築く機会に溢れていますが、ビジネスは友達と話すように会話を楽しむというのはまずないでしょうし、そもそも時間が限られています。

会議ひとつするにも、互いの時間を調整して、事前にしっかり話す内容、自社の要求、妥協点を決めておかなければなりません。

短い時間をいかに有効的に活用できるのかが鍵です。

そこで役立つのが、一緒のテーブルで食事をとるということです。先ほどはアメを使ってラポールを築くというものでしたが、研究者らは2つ目の実験で、食事をとりながら会議をすることで、より強い信頼関係を築けることを明らかにしました。

同じタイプの食事(例えばイタリアンなら二人ともパスタ)を食べると、異なるタイプの食事を食べたグループに比べて、2倍も早く合意にたどり着くことができたそうです。

シカゴ大学のAyelet Fishbach教授は次のようにコメント。
「何か決断する時、みんなロジックを使いたがるけど、ほとんどの人は食の好みが思考に影響を与えることを知らないんだね。かなり本能的なレベルで、食べ物は人が協力し合う手助けをしてくれる。」

By: Madison Scott-Clary

数字を重視したアメリカ的なビジネスを導入したことで、日本は経済的な発展をすることができました。そのおかげで今の豊かな生活があります。でも時代はすごいスピードで変化していて、ロジックだけでは解決できない問題に溢れています。

日本が数字でビジネスを進めている中、アメリカなどの海外では、それ以外の部分から生まれてきた企業がたくさんあります。Facebook、Airbnb、テスラ。どれも世界的に大成功を収めている企業。テスラなんて2026年までに人類を火星に連れていくといっています。

こういった会社が数字のために作られたはずがありませんよね。純粋「楽しそうだから」「これあったら便利だな」「人類にとって必要だから」という考えのもとに生まれてきたはずです。

日本も、数字から脱却しなければならない頃かもしれません。

今までみたいに必死に練り上げてきた数字をあげるアイデアを会議室で披露する時代は終わり。美味しい食事を楽しみながら、面白いアイデア、イノベーティブなアイデアを出す時代。

みんなで1つのおっきなパエリアのプレートを食べ、ワインを飲みながら意見を交換する。お酒が入って、普段言えないようなこともついつい口走ってしまう。でもそうして腹を割って話すことで、信頼関係を築くことができるのではないでしょうか。

想像しただけで、ワクワクしますが、そうした時代を創っていきたいですね。

Sponsored Link