子どもの成長には罰よりも、ご褒美をあげた方が効果的。でも背中を見せることが一番大切


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子育てにおいて「褒めて伸ばすこと」、「罰を与えて学ばせる」というのは常に議論されています。もちろんそれぞれに長所があり、どちらがいいというのは一概には言えません。

褒めたり、ご褒美を与えることは目的を達成するための手助けにもなりますが、それを与え過ぎれば、次第にご褒美がなければ自分から行動しない子供になります。

罰を与えれば次は失敗しないようにと、その場では必死に努力をしますが、ちょっと状況が変わればまたミスをし、次第に出来ない自信を失っていきます。

子育て中の親御さんは悩むところですよね。

今回は子育て中の方のヒントになる内容です。

 

「褒めて伸ばすべきか」「罰を与えて学ばせるべきか」

By: Jane Kostenko

この問題に取り組んだのがイギリスのUniversity College-Londonの研究者ら。

彼らの研究結果によると、12歳から17歳までの子供に対しては罰を与えるよりも、ご褒美をあげることが子供の成長につながるそうです。

実験では、12歳から17歳の参加者18名と、18歳から32歳の参加者20名を対象に実験を行い、子供と大人の”学ぶプロセス”の違いについて調査しました。

彼らには「報酬」「罰」「何もなし」といった情報と結びついた、抽象的なシンボルの中から、シンボルを一つ選ぶという作業をしてもらいました。

当然作業が進むにつれて、参加者らはどのシンボルが報酬につながり、どのシンボルが自分に罰を与えるものなのかを学んでいきます。

作業終了後の結果は、予想通り12歳から17歳の参加者、18歳から32歳の参加者ともに”報酬”と関連付けられたシンボルを覚えるのは早かったそう。

By: Thomas Ricker

しかし12歳から17歳のグループでは”罰”と結びついているシンボルを学習するのが、大人のグループに比べて劣っていたそうです。

さらに、あるシンボルを選んだ後に、もう片方を選んでいたら何が起こっていたかを知らされると、大人達のグループは次のタスクをこなす時に、より良い選択を選ぶ傾向があったそうですが、子供のグループではその傾向が見られなかったそう。

子供の頃は熱いと分かっていても、ストーブに手で触れたり、怒られるとわかっていても宿題を忘れてしまうものです。

By: shira gal

逆に「親の手伝いをする」「部屋を片付ける」「テストで良い点を取る」など、親がお菓子やお金などのご褒美をくれるようなことはすぐに覚え、積極的に行動するようになります。

親や先生から教えられるよりも、新しい経験をどんどんして、その中から必要なことを学ぶスタイルが子供には合っています。

ですから教育には”罰”を与えるよりも、”ご褒美”をあげた方が子供の成長にはいいのかもしれません。

研究者の一人、Dr. Palminteri氏は次のように述べています。
「この結果から親や教師は、言うことを聞かせる時にポジティブな表現を使った方がいいのかもしれない。例えば『もしお皿を洗わなかったら、お小遣いなしにするわよ』というなら、『もしお皿を洗ったら、お小遣いをあげるね』という方が効果的だろうね。」

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ご褒美をあげるデメリット

By: _paVan_
By: _paVan_

短期的に見れば、ことあるごとにご褒美をあげることが子供の成長につながります。例えば勉強が嫌いな子供に宿題をさせるために、「宿題が終わったらお菓子の時間ね」ということはその場限りでは有効な手段です。

嫌な作業には目的はありませんが、そこに報酬が加われば話は別。報酬という目的のためなら少しぐらい嫌なことならできるようになります。

英語が苦手でも、TOEICで900点以上とれれば、100万円をあげると会社に言われたらきっとやる気になりますよね。

By: peapodsquadmom
By: peapodsquadmom

でも、長期的な視野で見れば、それは間違いなく悪い習慣になります。なぜか?報酬を受け取るのに慣れると、それがないと行動しなくなるからです。

そして少し考えれば、目的が見つかるようなことでも、褒美がないと行動しなくなり、自分からやりがいを見い出すのがどんどん下手になっていきます。

今の英語学習の例で言えば、大切なことはTOEIC900点レベルの英語力を身につければ、自分のキャリアの幅が効くようになるし、英会話力も上がります。でも報酬を受け取ることで、それらが全く見えなくなってしまうんですね。

By: Aizuddin Saad!

さらに、心理学の実験で「ほうびの隠れたコスト」というものがあります。

絵を描くのが好きな子どもに、報酬を約束して絵を描かせると、自ら進んで絵を描かなくなるだけでなく、絵の質も落ちるという内容です。

何が起こっているかというと「好きでやっている」という内発的動機が、報酬を与えることで外発的動機に変わってしまい、好きだったことが徐々に嫌いになってしまうんですね。

ですから子供が何かを達成した時に、物質的なご褒美をあげるということは、悪い習慣づけをしてしまうだけでなく、自発的な動機をも潰してしまうことになるのです。

 

背中を見せることしかできない

By: Mikel Garcia Idiakez

「ご褒美をあげると自発的に行動しなくなるから、物質的な報酬ではなく、ほめることで子どもの成長を促そう」というものがあります。

確かに褒められたり、才能があると言われると、少しくらい出来が悪くてもやる気が出たりしますよね。それが根拠のない自信につながったりして、前向きに物事を進める上で非常に役に立ちます。

でも褒めるというのは、本質的にはご褒美と大きな違いはありません。

結局は褒められないとやらない、褒められると今まで自発的にやっていたこともやらなくなるというのは以外と起こるものです。

ではどうすればいいか?罰を与える?

答えは”どちらもしない”ということ。

つまり褒めもしないし、叱りもしないということです。

By: Mislav Marohnić

例えば、子どもが宿題をまったくやらずに漫画やゲームばっかりしているという状況。そんな時あなたはこう思うでしょう「宿題をやらないと周りの生徒に遅れを取ってしまう。今は良くても中学高校に上がったら、受験の時に大変なことになると」

でも褒めもしないし、叱りもしないんです。

そんなの親として無責任じゃないかと思われる方も多いでしょう。

しかし、あなたが巧妙に報酬をチラつかせたり、時には厳しく叱っても、子どもを思い通りにすることは不可能です。人間ですから。

ご褒美をあげても、自分から行動しない子どもになるし、叱っても反抗される。

従順な子どもであれば、言うことを聞くかもしれませんが、彼らから自分で考える能力を奪うことになります。

どうやってもうまくいかないんですよ。

コントロールしようとすればするほど、ほころびが生まれます。

できることは、あなたの背中を見せることだけです。

子どもというのは周りの人、特に親の言動をよく見ています。あなた自身は勉強をしていないのに、自分には押し付けてくる。あなた自身の食事中の行儀が悪いのに、自分には指図してくる。自分の言葉遣いは悪いのに、自分ばかり注意するなど、彼らは親の言動の矛盾をしっかり理解しています。

自分を思いっきり棚に上げて、子どもばかりに注意している親の言うことなんて誰も聞きませんよ。

By: Paul Sableman
By: Paul Sableman

これは子どもに限ったことではなく、大人でもそうですよね。

ですから、子どもに理想的な人生を歩んで欲しいのであれば、まず自分が変わりましょう。自分が理想的な人生を歩みましょう。テストで優秀な成績を収めて欲しいなら、あなたが賢くなりましょう。

彼らはあなたの話す言葉、思考回路、行動をしっかり見て学んでくれていますよ。

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